朝日日本歴史人物事典 「楠里亭其楽」の解説
楠里亭其楽
生年:天明2(1782)
江戸時代の読本作者。小林氏。名は貞,字は高悦,季(喜)六と称する。江戸の人であり,南仙笑楚満人の門人であったと自称する。文化14(1817)年ごろには大坂へ移り,播磨屋喜兵衛の養子となったらしい。町代の職を勤める一方,『復讐誉通箭』(1818),『曩小説打出浜』(1818)を初めとする読本や,実用書の類を執筆した。交友関係は幅広く,特に笠亭仙果とは親しかった。読本の著述としては他に『忠孝二見浦』(1830~31)などが知られている。<参考文献>長友千代治「楠里亭其楽年譜」(『近世大阪芸文叢談』)
(樫澤葉子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報