楠里亭其楽(読み)なんりてい・きらく

朝日日本歴史人物事典 「楠里亭其楽」の解説

楠里亭其楽

没年:万延1.7.11(1860.8.27)
生年天明2(1782)
江戸時代の読本作者。小林氏。名は貞,字は高悦,季(喜)六と称する。江戸の人であり,南仙笑楚満人門人であったと自称する。文化14(1817)年ごろには大坂移り,播磨屋喜兵衛の養子となったらしい。町代の職を勤める一方,『復讐誉通箭』(1818),『曩小説打出浜』(1818)を初めとする読本や,実用書の類を執筆した。交友関係は幅広く,特に笠亭仙果とは親しかった。読本の著述としては他に『忠孝二見浦』(1830~31)などが知られている。<参考文献>長友千代治「楠里亭其楽年譜」(『近世大阪芸文叢談』)

(樫澤葉子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「楠里亭其楽」の解説

楠里亭其楽 なんりてい-きらく

1782-1860 江戸時代後期の戯作(げさく)者。
天明2年生まれ。江戸の人。南仙笑楚満人(なんせんしょう-そまひと)の門にまなぶ。のち大坂の播磨屋(はりまや)喜兵衛の養子になったという。難波新地三町の町代をつとめる。笠亭(りゅうてい)仙果らと親交があった。万延元年7月11日死去。79歳。姓は小林。名は貞。字(あざな)は高悦。通称は季六。別号に南里亭淇楽,南地亭金楽など。読み本に「復讐誉通箭(ふくしゅうほまれのとおりや)」「打出の浜」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android