楽田寺(読み)らくでんじ

日本歴史地名大系 「楽田寺」の解説

楽田寺
らくでんじ

[現在地名]田原本町堺町

雨宝山竜王院と号し、融通念仏宗開山は寛祐、本尊は阿弥陀如来立像。奥書に「嘉暦二年二月 日 沙門定玄謹疏」と記す縁起によると、天平元年(七二九)創建で、本尊であったといわれる十一面観音菩薩は仏師稽主勲が長谷はせ(現奈良県桜井市)本尊の御衣木みそぎをもって作り、弘法大師が真言の道場としたという。享保一六年(一七三一)の御役所大帳(田原本藩記録)には、「楽田寺者元亨二年開基也」とあるが、これは縁起の記された嘉暦二年(一三二七)の五年前にあたる。当寺の創建は鎌倉時代中期を下らないと推定される。「大乗院寺社雑事記」明応七年(一四九八)正月二六日条に

<資料は省略されています>

とあり、田原本たわらもと寺とは聖道所である楽田寺と律院である慈尊じそん院を合わせた称であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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