日本大百科全書(ニッポニカ) 「構造盆地」の意味・わかりやすい解説
構造盆地
こうぞうぼんち
地殻(ちかく)運動によって生じた盆地で、テクトニック盆地ともいう。ドイツの地質学者コバーL. Koberの分類(1928)による。このタイプの大地形としては、造山帯の二つの褶曲(しゅうきょく)帯間に一大沈降盆地として形成された中間地塊山地がある。メキシコの中央高原、ペルーとボリビアにまたがるアルティプラノ、ハンガリー、アナトリア(トルコ)、イラン、チベットなどの山間高原はその例である。これらよりも規模が小さい地形として、曲降盆地または褶曲による向斜状盆地、断層盆地(断層角盆地、地溝盆地)などがある。関東平野は、曲降盆地または向斜状盆地の盆地床にある。長野、松本、諏訪(すわ)、甲府、伊那(いな)などの諸盆地は断層盆地の適例である。
[有井琢磨]