槻沢遺跡(読み)つきぬきざわいせき

日本歴史地名大系 「槻沢遺跡」の解説

槻沢遺跡
つきぬきざわいせき

[現在地名]西那須野町槻沢

権現ごんげん山丘陵の北端津室つむろ川の東岸低丘陵上にある。西側は比高約五メートルの崖、他は平坦な那須野で、範囲約二ヘクタールに及ぶ縄文中・後期の大集落跡。昭和八年(一九三三)・一〇年・二七年に発掘調査され、同五二年広域農道(ライスライン)建設に伴う記録保存調査が実施された。一―三次の調査は丘陵西側の発掘で、縄文中・後期の住居跡・袋状土壙などの遺構を発見、石鏃石錐・打製石斧・磨製石斧・敲石・磨石・石皿などの石器と、縄文中期後葉から後期前葉の土器出土、東北系諸型式の色彩が濃いことが注目された。四次は丘陵東側を縦断する皆掘調査で竪穴住居跡三一、円筒形や袋状の土壙一一四、埋甕墓三・集石遺構三・溝状遺構一などを発見、土壙の中には粘土溜もあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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