模本(読み)モホン

精選版 日本国語大辞典 「模本」の意味・読み・例文・類語

も‐ほん【模本・摸本・摹本】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 原本を模写して作った本。
    1. [初出の実例]「方氏墨譜の摸本を得てより、従前の墨色を変じて赤色となし」(出典:風俗画報‐一七八号(1898)器財門)
    2. [その他の文献]〔楼鑰‐跋余子寿所蔵山谷書余子来入判又出摹本詩〕
  3. 習字・図画などの手本。臨本。
    1. [初出の実例]「仏蘭西の画工なにがし、ミローの最後の奮闘を画(ゑが)かまく思ひけるが、其摸本(モホン)なきに困しみ」(出典:春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉をかし)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の模本の言及

【模写】より

…一方,完成された作品に対しても,模写・模造といった行為が,あらたな創作のための模範・手本・指標あるいは技法の習得のためになされる。
[東洋]
 東洋とくに中国で模写・模本といえば,書画のそれを意味している。書の場合は〈双鉤塡墨(そうこうてんぼく)〉といって写そうとする文字の上に,それを透視しうる紙をのせ,文字の輪郭を正確に写したのち,その輪郭の中に墨をうめてゆく方法があり,これにより書体はもとより筆勢をも写しとるのである。…

※「模本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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