権現山下横穴群(読み)ごんげんやましたよこあなぐん

日本歴史地名大系 「権現山下横穴群」の解説

権現山下横穴群
ごんげんやましたよこあなぐん

[現在地名]水戸市下国井町

町の七ッ洞溜池西岸に東に開口してある横穴群。「新編常陸国誌」に記載される国井荒墳くにいあらはかと同一のものと考えられる。溜池は台地下の水田用水として用いられ、満水時には横穴が水面下に埋没し、乾期のみ水面上に現れるため、比較的よく保存されたと考えられる。この横穴群の北側台地上には前方後円墳一基を含む富士山ふじやま古墳群がある。

横穴群は七ッ洞溜池の下段から二つ目上の池にある。現在五基が開口しているが、ほかにも地形から推してかなりの数があると思われる。うち発掘した四基は全長約二メートル、玄室幅約一・五メートルで、凝灰質泥岩を削って造られているが、最下段の横穴の西側壁の玄門近くには冑状の陰刻画と山形状の陰刻画がみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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