横井時冬(読み)よこいときふゆ

改訂新版 世界大百科事典 「横井時冬」の意味・わかりやすい解説

横井時冬 (よこいときふゆ)
生没年:1859-1906(安政6-明治39)

歴史家。尾張藩士横井猪右衛門の三男として生まれ,藩校明倫堂,養成学校を経て東京専門学校(現,早稲田大学)を卒業した。1888年東京高等商業学校(現,一橋大学)の教員となり,95年教授。卒業論文の《大日本不動産沿革史》(1888)を公刊して注目され,97年の《日本工業史》,翌年の《日本商業史》はいずれも古代から明治30年ころまでの工業,商業の歴史を通観し,とくに江戸明治時代を詳述した工業史,商業史の先駆的著作である。ほかに《大日本殖産史》《大日本絵画史》など,該博学識を示した著書がある。
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朝日日本歴史人物事典 「横井時冬」の解説

横井時冬

没年:明治39.4.18(1906)
生年:安政6.12.14(1860.1.6)
明治時代の歴史家,文学博士。名古屋藩士の子として名古屋に生まれた。明治20(1887)年に東京専門学校(早稲田大学)を卒業,28年高等商業学校(一橋大学)教授になる。本居宣長門下の国学者横井千秋の同族であったので,小中村清矩・本居豊穎らの古典的な学者たちの薫陶を受けて,学風文献考証と社会経済の実態を結合させ,商工業の分野別通史を確立した。美術・工芸造詣が深く,商業・工業教育に参画し,内国勧業博覧会の監査官として産業の振興に寄与した。<著作>『横井時冬全集』『日本商業史』『日本工業史』『芸窓襍載』

(秋元信英)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「横井時冬」の解説

横井時冬 よこい-ときふゆ

1860*-1906 明治時代の経済史学者。
安政6年12月14日生まれ。尾張(おわり)名古屋藩士の子。明治28年高等商業学校(現一橋大)教授となる。「日本工業史」「日本商業史」などをあらわした。明治39年4月18日死去。48歳。東京専門学校(現早大)卒。

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