横切(読み)よこぎり

精選版 日本国語大辞典 「横切」の意味・読み・例文・類語

よこ‐ぎり【横切】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「よこきり」とも )
  2. よこぎること。横に通ること。
    1. [初出の実例]「志賀の閻魔堂の横を横切(ヨコキリ)に、今路へ懸て引帰す」(出典太平記(14C後)二)
  3. よこぎり(横切)の座」の略。
    1. [初出の実例]「王大夫座在横切」(出典:権記‐寛弘五年(1008)正月一四日)
  4. 横に切ること。
    1. [初出の実例]「とりのこをよこぎりにしたる折本なり」(出典:耳底記(1602)二)
  5. 客に出ている遊女が密かに他の客や情夫のところへ行くこと。横を切ること。
    1. [初出の実例]「請切、横切(ヨコキリ)、一つ買ひ」(出典:浄瑠璃・いろは歌義臣鍪(1764)八)

よこ‐ぎれ【横切】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「よこきれ」とも )
  2. 横に切れめのはいっていること。
    1. [初出の実例]「横目の民とは目のよこきれと云心也。人は目が横にきるるなり。只人と云んため也」(出典:古活字本荘子抄(1620頃)四)
  3. 横に切れること。横断
    1. [初出の実例]「生玉の並松筋より横(ヨコ)きれに」(出典:浮世草子・好色盛衰記(1688)四)
  4. 横道に曲がって行くこと。脇道にはいること。
    1. [初出の実例]「九軒の横(ヨコ)きれして、西かわの座頭の許へよられける程に」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)三)
  5. ( 「横布」とも ) 織目が横になるように裁ってある布。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android