藤原行成(ゆきなり)の日記。『行成卿記(ゆきなりきょうき)』ともいい、権大納言(ごんのだいなごん)であったことから、『権記』ともいう。991~1011年(正暦2~寛弘8)の20年間の日記であるが、その間、欠けている部分は996年(長徳2)である。行成は弁官や蔵人頭(くろうどのとう)を勤め、宮廷での政治家としての生活を細かに記している。儀式にも大いに詳しく、「別記に有り」などの記述もみえることから、儀式についての別記も存したかとも思われる。行成は一条(いちじょう)天皇に信任があり、また、藤原道長(みちなが)とたいへん親密であったことなどが事細かに書かれており、摂関政治史をみるうえにだいじな日記である。また、行成は筆跡が優れていたので依頼されて多くの書物を筆写したことなどもみられ、平安朝の朝儀や学芸、風俗を知る好史料である。写本としては宮内庁書陵部の鎌倉時代書写の伏見宮(ふしみのみや)本22巻が最古のものである。『増補史料大成』『史料纂集(さんしゅう)』に所収。
[山中 裕]
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