横滝寺(読み)よこたきでら

日本歴史地名大系 「横滝寺」の解説

横滝寺
よこたきでら

[現在地名]松阪市伊勢寺町

孤峯山浄土院と号し、浄土宗本尊は行基の作と伝える阿弥陀如来。もとは国分寺の一寺で奥院と称し堀坂ほつさか山奥山頂にあったが、後に国分寺の衰退にともない分離して一山をなしたとされる。寺堂は荒れはてたが、延宝年間(一六七三―八一)三河大樹だいじゆ(現岡崎市)より僧三誉輪超が来て再建したといわれている。境内に観音堂があり、横滝観音と称する。寺宝の一つに琵琶が伝えられる。昔、一人の盲人が琵琶を抱いて当寺に登り一七日間その開眼を祈願したがなんの利益もなく、「滝とてもすくなる滝か横滝の堂も仏も同じ木のきれ」と恨みの歌を詠じ門を出ようとするとき、御堂の内からよぶ声があり、振返ってみたとき両眼が開いたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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