櫃ヶ岳(読み)ひつがだけ

日本歴史地名大系 「櫃ヶ岳」の解説

櫃ヶ岳
ひつがだけ

[現在地名]下市町大字貝原

下市町と西吉野村の境にある山。標高七八一メートル。「大和志」に「ひつが岳 在貝原村以形似名」とあり、貝原の南方丹生にう川の渓谷からそそり立つ険しい山で、四周の村々からもよくみえる。山容が神体山特有の円錐状を呈し、古来黄金こがね(栃原岳とも)白銀しらかね(銀峯山とも)とともに吉野三山という。山頂の展望がよく、とくに南方に山上さんじようヶ岳・弥山みせんなど大峰の雄大な景観が望まれる。

山頂の八幡神社は古記録がなく詳細不明であるが、山城国石清水いわしみず八幡の分霊を祀ると伝えられ、櫃ヶ岳大明神と号して崇敬された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報