歯切(読み)はぎれ

精選版 日本国語大辞典 「歯切」の意味・読み・例文・類語

は‐ぎれ【歯切】

〘名〙
① 歯でかみきること。また、そのときの感じや音。
※俳諧・桜川(1674)夏一「歯きれもやあさくはおもふ蓮のはゐ〈正成〉」
物言い態度行動などが明確なこと。言動のはきはきした調子江戸時代には、その良し悪しを「歯切れする(しない)」と表現するのが普通であった。
※俳諧・珍重集(1678)「はきれのせぬつけかたは、かねむねにまはりてなんのやくにかたつべし」
※歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)中幕「預って置いたこの胴乱。こればかりでは歯切(ハギ)れがしないが」

は‐ぎり【歯切】

〘名〙
① はがみ。はぎしり。
※俳諧・崑山集(1651)一二「ちる音は木々のはきりか風の口〈元与〉」
浮世草子好色一代男(1682)四「歯ぎりして、細腰もだえて」
② 「はぎりばん(歯切盤)」の略。〔電気工学ポケットブック(1928)〕

は‐きり【歯切】

〘名〙 のこぎりの歯をとぐやすり日葡辞書(1603‐04))。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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