1996年に登録されたスペインの世界遺産(文化遺産)。クエンカは、首都マドリードの南東に位置するカスティーリャ=ラ・マンチャ自治州クエンカ県の県都。断崖の上に築かれ、宙に浮いているように見えることから「魔法をかけられた町」という愛称がつけられている。城塞に囲まれた歴史的な遺構が多数残る古都で、もともとはムーア人(北西アフリカのイスラム教徒でイベリア半島に進出・定着したアラブ人、ベルベル人)によってコルドバの防衛基地として建設されたところである。町の名前は廃墟となったアラブ人の城「クンカ」に由来するともいわれている。ゴシック様式の大聖堂のほか、ウエカル川を見下ろす断崖の上に建てられ、断崖絶壁の上にせり出して見える「宙づりの家」などの歴史的な建造物が有名。また、フカル川とウエカル川に挟まれた断崖の頂に立地する特殊な地形により、ほかに類をみない独特な景観を形成することになった。◇英名はHistoric Walled Town of Cuenca