海洋投棄規制条約(読み)かいようとうききせいじょうやく(英語表記)Convention on the Prevention of Marine Pollution by Dumping of Wastes and Other Matters

  • かいようとうききせいじょうやく〔カイヤウトウキキセイデウヤク〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鉱物,有機化合物などの海洋投棄を規制する条約。 1972年に採択,75年8月発効。有機ハロゲン化合物水銀などの海洋投棄の絶対的禁止亜鉛などの海洋投棄は特別許可の場合にのみ,その他の物質は一般許可のある場合にのみ投棄可能と定めている。また,許可を発給する場合には,投棄物質の形状および性質,投棄場所の水深からの距離などを考慮しなければならないとされている。日本では 80年 11月に発効している。

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百科事典マイペディアの解説

陸上で発生した廃棄物を船,飛行機,海洋施設から海洋へ投棄することを規制する条約。正式名称は〈廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染防止に関する条約〉で,1975年に発効した。投棄が禁止されているのは水銀カドミウム,高レベル放射性廃棄物,生物化学兵器,有機塩素化合物,重油など。ヒ素シアン化合物,農薬などの投棄には特別の許可を得なければならない。この条約はロンドンで調印されたことから,通称ロンドン条約。2011年3月に起こった東京電力福島第一原発の大事故で,東京電力は4月4日から10日にかけて,大量の放射性物質を含んだ汚染水を海洋に放出した。放出された,ヨウ素131やセシウム137などを含む汚染水は1万トン強で,合計1500億ベクレルと推定される。放出の理由は,事故の収束のための作業を阻む原子炉建屋と構造物内部の高濃度の汚染水の増加が飽和状態に近づいたため低濃度の汚染水を放出したとされる。この事態に,韓国,中国,ロシアなど近隣諸国の政府・メディアは東京電力と日本政府の対応を批判した。日本政府は,陸上から海洋への投棄を規制する国際条約はなく,ロンドン条約などの国際的な海洋汚染防止条約には違反しないという見解を示した。東京電力は,4月22日,4月1日から6日までに少なくとも4700兆ベクレルという,高濃度放射能汚染水が流出したと発表している。原発事故が必然的に広域にわたる可能性があることから,国際条約の整備が急がれている。

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大辞林 第三版の解説

正称、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約。船舶・航空機・海洋施設からの陸上発生廃棄物の海洋投棄を規制するための条約。1972年採択。75年発効。ロンドンダンピング条約。

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