化学辞典 第2版 「残留塩素」の解説
残留塩素
ザンリュウエンソ
residual chlorine
水道水や浴場,プールの水を塩素消毒した結果,酸化力を有する化学種として水中に存在する塩素化合物の総称.遊離残留塩素と結合残留塩素とに分類され,前者は次亜塩素酸,次亜塩素酸イオン,後者はアンモニアや有機窒素化合物と結合したモノ-,ジ-,トリクロラミンがある.上水道に衛生上必要な措置として「給水栓における水が,遊離残留塩素を0.1 mg L-1(結合遊離塩素では0.4 mg L-1)以上保持するように塩素消毒すること」と規定されている.上限の規定はないが,残留塩素が多いほどその水がきれいな水というわけではなく,多過ぎると塩素臭が強く,配管や鍋などの腐食,有害なトリクロロメタンの生成にもつながる.測定法には,o-トリジン(OT)やジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)による比色法やヨウ素法,電気化学分析法がある.ただし,OT法は2002年4月1日に認定測定法から削除された.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報