段返し(読み)ダンガエシ

デジタル大辞泉 「段返し」の意味・読み・例文・類語

だん‐がえし〔‐がへし〕【段返し】

地歌箏曲そうきょくの合奏法の一。段合わせで合奏したあと、受け持ちを交換して、ふたたび段合わせを行うこと。

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精選版 日本国語大辞典 「段返し」の意味・読み・例文・類語

だん‐がえし‥がへし【段返】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 箏曲地唄で手事が二段以上にわたる時、互いに段を違えて合奏すること。一人が初・二段と奏するのに対し、他は逆に二・初段と奏して合奏する。
  3. 二つの物事が逆になること。
    1. [初出の実例]「蛤の塩蒸で出立の飯を喰はしたは月見と葬礼の段返(ダンガヘ)し」(出典歌舞伎勧善懲悪覗機関村井長庵)(1862)五幕)
  4. 茶番で、同じ景物(けいぶつ)を見立て直して使うこと。二回見立て直すのを二段返し、三回のを三段返しという。

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改訂新版 世界大百科事典 「段返し」の意味・わかりやすい解説

段返し (だんがえし)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「段返し」の意味・わかりやすい解説

段返し
だんがえし

段合せ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の段返しの言及

【淡路人形】より

…明治中ごろから従来に比べてひと回り大型の首が使われるようになったが,これは小屋が広くても見やすいようにとの配慮からといわれる。演目も《賤ヶ岳七本槍(しずがたけしちほんやり)》《奥州秀衡有鬙壻(おうしゆうひでひらうそうのむこ)》など文楽では廃絶した珍しい曲を伝え,大道具の転換だけを見せる〈段返し〉の演出に特色を見せた。大正期以降とくに第2次世界大戦後は急激に落,現在では独立した人形座は姿を消し,保存会による観光用公演にわずかに伝承を保っている。…

【段合せ】より

…《待つにござれ》の第1歌と第2歌(柳川流では第3歌と第4歌),《長崎》の第3歌と第4歌(柳川流《葛の葉》の第1歌と第2歌),《京鹿子(きようがのこ)》の第1歌と第2歌,第3歌と第4歌,第5歌の前半と後半と第6歌などを,それぞれ合奏させるのが代表的な例。奏者が交替して反復演奏を行う場合(第1歌の奏者が次に第2歌を,第2歌の奏者が第1歌を演奏)に,〈段返し〉という。本来は,三味線のみならず歌も同時に歌う。…

※「段返し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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