比田(読み)ひだ

日本歴史地名大系 「比田」の解説

比田
ひだ

中世の所領単位で、現在の東比田ひがしひだ・西比田・梶福留かじふくどめ西谷にしだに一帯に比定される。文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳の六番に「富田新庄比田三十丁村上判官代入道」とみえ、富田庄の新庄として成立。応永二一年(一四一四)八月日の岩船いわふね権現(現在は比太神社に合祀)の造営棟札銘(島根県史神社資料)には願主として清張の名がみえる。文明年間(一四六九―八七)と推定される一一月一〇日の京極政高書状(中川家文書)によると、当時、比田山を三沢信濃守が押領していたが、京極氏に敵対したことにより所領を没収されていた人物が帰参したため、所領を返付することとなった。そのためまず比田山を守護代尼子清貞の管理下に置き、清貞から本主に所領を渡すことになったが、三沢氏の抵抗も予想されるため、京極政高は赤穴幸清に対して尼子清貞の代官への合力を要請している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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