気抜(読み)きぬけ

精選版 日本国語大辞典 「気抜」の意味・読み・例文・類語

き‐ぬけ【気抜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 体から心が抜け出てしまったように、ぼんやりすること。また、はりつめた気持が抜けて、ぼんやりすること。茫然自失(ぼうぜんじしつ)。きおち。喪心。拍子抜け。
    1. [初出の実例]「明日の精進(いもひ)や恋のさまたげ〈嵐雪〉 はりあひもなき傾城の気ぬけ哉〈立吟〉」(出典:俳諧・其袋(1690)冬)
  3. ビール、サイダーなどの炭酸飲料水や香水などで、その物特有の風味や香りなどの新鮮さがなくなること。また、その物。
    1. [初出の実例]「主のこころと安香水の何(どう)も気抜(キヌケ)のアルコール」(出典:情歌大一座(1901)〈野暮鶯編〉)
  4. ( 形動 ) 間抜けなこと。また、その人。あるいは、そのようなさま。ばか。愚鈍。
    1. [初出の実例]「ちっとちっと気を持て。気抜(きぬ)けは人が指さし、仇名を付けて」(出典:歌舞伎・傾城暁の鐘(1708)上)
  5. 好調な相場の人気が落ちること。

き‐ぬき【気抜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 不愉快な気持、心配な気持など、心のわだかまりを払い落とすこと。気晴らし気散じ
    1. [初出の実例]「道中切つめたやうな路用にて気抜がてらに駈出して」(出典:随筆・皇都午睡(1850)三)
  3. よごれた空気臭気ガスなどを除去すること。換気。また、そのために設けた穴や装置。気抜き穴、気抜き窓などの類。〔日本建築辞彙(1906)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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