精進(読み)しょうじん(英語表記)vīrya

  • ▽精▽進
  • ▽精進
  • しょうじ
  • しょうじ シャウ‥
  • しょうじ〔シヤウ〕
  • しょうじん シャウ‥
  • しょうじん〔シヤウ〕
  • せいしん
  • そうじ
  • そうじ サウ‥
  • そうじ〔サウ〕
  • そうじん
  • そうじん サウ‥
  • そうじん〔サウ〕
  • 精▽進

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

勇気をもって努力する心の働きと行為。大乗仏教では6種または 10種の波羅蜜多を説くが,そのなかに精進波羅蜜多があげられ,求道者が修行のためにするひたむきな努力を重要な徳目としている。また精進の内容は種々に分類されるが,俗には,肉食などを慎むことを精進という。 (→八正道 )

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デジタル大辞泉の解説

しょうじん」の撥音の無表記。
「長き―も始めたる人、山寺にこもれり」〈かげろふ・中〉
[名](スル)
雑念を去り、仏道修行に専心すること。
一定の期間行いを慎み身を清めること。
肉食を断って菜食をすること。
一つのことに精神を集中して励むこと。一生懸命に努力すること。「研究に精進する」
そうじん」の撥音の無表記。
「―などせざらむ人々は、便(びん)なくや」〈狭衣・二〉
《「そう」は「しょう」の直音表記》「しょうじん(精進)」に同じ。
「御―にて、明け暮れ行ひておはす」〈須磨

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百科事典マイペディアの解説

サンスクリットのビーリヤの訳で,大乗仏教の実践徳目の一つ。悪事を断ち善行を修めるため雑念を去って勤めること。転じて心身を慎み酒肉を断つこと。神道では〈そうじ〉などとよみ物忌(ものいみ)と同意。神霊をまつる者は別火精進といって煮たきを別にし,精進屋を設けて居所を別にし,垢離(こり)をとるといって水で潔した。事では精進料理といって生臭(なまぐさ)物を忌むのに対し,神道では獣肉は忌むが魚はとることが多い。精進固めといって精進に入る前に魚肉を食べておき,精進の期間が終わると精進落しといって肉食し,弔いの後では四十九日にちなんで四十九餅(もち)などをつく。
→関連項目禁忌(民俗)六波羅蜜

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世界大百科事典 第2版の解説

サンスクリットのビールヤvīryaの訳。ひたすらに努力し,励むこと。とくに,仏教の修行に日夜励むことと,その心のはたらきを意味している。大乗仏教の修行徳目の六波羅蜜(ろくはらみつ)や十波羅蜜中の一つで,それら全体における心がまえのことである。その精進波羅蜜は,菩薩(ぼさつ)(仏のに到達する直前の位の修行者)が修行において勇猛で,怠りの心と行いがまったくないこと,すなわち精進の完成を指している。そのほか,仏教教理ではもっと細かな意味にも用いられている。

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大辞林 第三版の解説

「しょうじん」の撥音「ん」の無表記。 さるべき-の物なにかと常に問はせ給ふ/栄花 嶺の月
スル
肉食をやめ、菜食すること。
戒律を守ったり、禁忌を避けたりして心身を清らかに保ち、信仰に励むこと。
ひたすら仏道修行に努め励むこと。また、そのような心の働き。 → 六波羅蜜ろくはらみつ
そのことだけに心を集中して努力すること。 芸道に-する
「そうじん(精進)」の撥音「ん」の無表記。 面やせにけり、-にて日をふるけにや/源氏
しやうじんの直音表記
しょうじん(精進)に同じ。 やがて御-なれば、数珠ひきかくして/源氏 薄雲

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ひたすら努力すること。悪を断ち善を実践し、ひたすら進み勤めること。梵(ぼん)語ビールヤvryaの訳。漢訳仏典では毘梨耶(びりや)、毘離耶(びりや)と音写し、勤、精勤(しょうごん)などとも訳す。仏教の実践徳目である八正道(はっしょうどう)の一つ。のちに整理され、心の働きを示す四正勤(しょうごん)、五根、五力(りき)などにも数えられる。大乗仏教の基本である六波羅蜜(ろくはらみつ)の一つにあげられ重視された。日本では、身心を清めること、俗縁を断ち切って清浄にし、仏門の生活を送ることもいう。さらに一般には、魚、鳥、獣などの肉を食べない、純粋の菜食をいうようになった。[石上善應]
 仏道修行に励む意の仏教用語から転じて、祭前などの一定期間世俗から離れて心身を慎み不浄を避けることをいう。精進は火・食物・水の三つの要素に大別できる。浄衣を着用して精進屋に籠(こも)り、朝夕水垢離(みずごり)をとって身を清める。食事は別火(べっか)といって家族などとは別に清浄な火で調理したもので、肉食はもちろんのことニンニクなどの臭気の強いものを慎む。散斎(さんさい)(あらいみ)・致斎(ちさい)(まいみ)と区別して長期間籠ることもあるが、普通は1週間前ぐらいから始め、終われば精進落としをする。[佐々木勝]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「しょうじん」の撥音「ん」の無表記) =しょうじん(精進)
※蜻蛉(974頃)中「ながきしゃうじもはじめたる人、山寺にこもれり」
〘名〙 仏語。
① (vīrya の訳。毘梨耶とも音訳) ひたすら仏道修行にはげむこと。また、その心のはたらき。
※令義解(718)僧尼「凡僧尼〈略〉其有乞食者。三綱連署。経国郡司。勘知精進練行判許」
※正法眼蔵(1231‐53)礼拝得髄「寸陰をすごさず、精進弁道すべし」 〔勝鬘経‐摂受章〕
② 転じて、一定期間、言語・行為・飲食を制限し、身をきよめて不浄を避けること。物忌みすること。潔斎すること。精進潔斎。
※小右記‐長保元年(999)一一月三〇日「今日釈迦仏日、始以精進、為恩徳
※平家(13C前)二「徳大寺殿〈略〉俄に精進はじめつつ、厳嶋へぞ参られける」
③ 一般に、魚や肉類を食べないで菜食すること。また、その料理。
※名語記(1275)三「牛房といへる精進の菜あり」
※甲陽軍鑑(17C初)品四四「精進(シャウジン)と魚類あらば、精進を先に、魚類をあとに出す也」
④ 一所懸命に努力すること。
※こんてむつすむん地(1610)二「でうすの御ほうこうにしゃうじんになりはじむるときは」
⑤ 品行をよくすること。女色をつつしむこと。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)六「精進(セウジン)がわるいさかい、コリャ雨じゃあろぞいの」
〘名〙 精力をつくしてつとめはげむこと。一生懸命に努力すること。しょうじん。
※搦手から(1915)〈長谷川如是閑〉殿さまお目ざめ「現代精神の権化たらん事を期して努力精進(セイシン)せねばならぬと思はれた」 〔世説新語‐術解〕
〘名〙 (「そうじん」の撥音「ん」の無表記) =そうじん(精進)
※宇津保(970‐999頃)忠こそ「ただいもひさうじをし給て、ただこそにあひみんとのみおこなひ給ふ」
※枕(10C終)二六「たゆまるるもの、さうじの日のおこなひ」
〘名〙 (「さう」は「しゃう」の直音表記) 肉食をしないで、身を清めて善行に努めること。しょうじん。そうじ。
※枕(10C終)二五「一日ばかりのさうじん解斎(げさい)とやいふらん」

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