水かき(読み)みずかき

改訂新版 世界大百科事典 「水かき」の意味・わかりやすい解説

水かき/蹼 (みずかき)
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水生動物の指と指の間にあるうすい皮膚の膜。カエル水鳥,カワウソなど一部の哺乳類などにあって,遊泳潜水の際に水をかくのに役だつ。鳥類の足指は,水かきの発達の程度によって,全蹼足(ぜんぼくそく)totipalmate(4本の指が全部水かきでつながる。ペリカン目のみ),蹼足palmate(前3本の指が水かきでつながる。カモ,カモメ,ミズナギドリなど),半蹼足semipalmate(指のつけ根の間に小さな水かきがある。多くの渉禽類(しようきんるい)),弁足lobate(各指に葉状の水かきがある。オオバンカイツブリヒレアシシギなど)の区別がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「水かき」の意味・わかりやすい解説

水かき
みずかき

水鳥やカエル(無尾両生類)の足指の間に張られた、皮膚のひだで形成された薄い膜をいう。特殊な哺乳(ほにゅう)類であるカモノハシの足にも水かきが発達している。水かきは遊泳、潜水など水中運動への適応のために発達した構造といえる。その発達の度合いは遊泳や潜水の必要度に対応しており、終生水中に生活するアフリカツメガエルではよく発達しているし、水鳥でも遊泳性でないシギサギツルなどではあまり発達していない。

[菊山 栄]

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世界大百科事典(旧版)内の水かきの言及

【巣】より

… また,ゴリラやチンパンジーは毎日夕方に樹枝で就眠用の〈巣〉を造る(鳥についてはこのようなものは〈ねぐら〉または〈ねぐら穴〉と呼んで巣とはいわない)。このように,繁殖とは関係がなくとも,みずから造る構造物であれば巣と呼ぶことも一方では行われて,アリジゴクの巣,クモの巣web,トビケラの巣caseなどにまで概念が拡張されている。動物の中で手の込んだ顕著な巣を造るものは,哺乳類(カヤネズミ,ビーバーなど),鳥類(ハタオリドリが有名),魚類(トゲウオなど),昆虫類(シロアリ,ミツバチなど),クモ類などであるが,これらの動物が示す造巣行動(造巣技術nest‐building)は古くから博物学者の注目を浴びてきた。…

※「水かき」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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