ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オオバン」の意味・わかりやすい解説
オオバン
Fulica atra; Eurasian coot
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鳥綱ツル目クイナ科の鳥。全長約38センチメートル。全身ほとんど灰黒色で、頭頸(とうけい)部は黒く、次列風切(かざきり)の先端が白い。額に乳白色の額板があり、嘴(くちばし)も白色。足指には葉状の水かきがあり、弁足である。旧世界に広く分布する。本州中部以北で繁殖し、冬期には中国南部、フィリピンなどに渡るが、南日本で越冬するものもある。ヨシや水辺植物のよく茂った湖沼、河川、池などにすみ、水生植物の種子、芽、根などを主食としているが、水生昆虫や小魚も若干食べる。習性はバンに似て、頭を前後に振り動かしながら水面を泳ぎ回り、またしばしば潜水して餌(えさ)をあさる。巣はヨシやマコモのなかに水辺植物の茎や葉を積み上げてつくられ、5~7月ごろ1腹8~12個の卵を産む。抱卵、雛(ひな)の世話は雌雄で行う。
本種の含まれるオオバン属Fulicaには世界で9種が知られており、アフリカ大陸、マダガスカル島に額に赤いこぶのあるコブオオバンF. cristata、アンデス山地に額に肉状突起のあるツノオオバンF. cornuta、南アメリカには嘴の黄色いキバシオオバンF. leucopteraなどがいる。
[森岡弘之]
ツル目クイナ科の鳥。ユーラシア大陸の亜寒帯以南に広く分布し,またニューギニア,オーストラリア,タスマニアまで分布する。旧北区の北部で繁殖するものはアフリカ,アジアの温帯から熱帯に渡り越冬。日本では本州中部以北で繁殖し,冬季は本州中部以南で見られる。湖沼や池にすみ,とくに営巣場所や隠れ場になるヨシやマコモなどの繁茂しているところを好む。全長約40cm。くちばしと額板と次列風切の先端が白いほかはほぼ全身がすすけた黒色。眼の虹彩は赤くてよく目だつ。非繁殖期には群れになって生活しているが,5~7月の繁殖期には湖面にテリトリーを形成して,ヨシなどの枯茎を集めて水面に営巣する。1腹の卵数は6~12個。潜水しておもに小魚やエビなどをとるほか,各種の水草の茎や根部も食物としている。
執筆者:安部 直哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…抱卵は雌雄交替で行い,雛は孵化(ふか)後まもなく両親について巣を離れる。近縁種のオオバン(イラスト)は額とくちばしが白く,飛んだとき次列風切後縁に白線が出るので,バンと見分けることができる。【安部 直哉】。…
※「オオバン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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