水内庄(読み)みのちのしよう

日本歴史地名大系 「水内庄」の解説

水内庄
みのちのしよう

和名抄」下道郡水内郷の郷名を継ぐものか。近世の水内村を遺称地とする。同村はのちはら中尾なかお二村に分村、また南隣のかげ村は水内を冠した史料もあり、高梁たかはし川右岸の影谷川流域一帯に推定される。南北朝期の史料には水内北庄が記されるが、以後再び水内庄とあって南庄は確認されない。おそらく南北への分立を示すものではなく、同郷の北という意味での呼称かと思われる。山城石清水いわしみず八幡宮領。「石清水八幡宮記録」によれば文治四年(一一八八)一〇月、後白河法皇の同宮護国参詣の際に最勝王経供料所とされたという。のち社家が伝領し、応長元年(一三一一)の善法寺尚清処分状写(石清水文書、以下同文書は省略)で別相伝領として康清に譲られている。南北朝期には公文木工成教・弘石資政、守護家人森戸次郎左衛門入道らの濫妨が続き、彼らの濫妨停止と八幡宮雑掌への下地交付の綸旨幕府の命令が数度発布されている(正平一七年一一月二二日「後村上天皇綸旨」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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