水場(読み)ミズバ

デジタル大辞泉 「水場」の意味・読み・例文・類語

みず‐ば〔みづ‐〕【水場】

登山で、飲み水の確保できる場所。「水場を探す」
野獣野鳥が水を飲みに集まる水辺
土地が低く、すぐ水の出る所。
「―の施主か、掘り抜き井戸の地主が、聞いてあきれらあ」〈洒・辰巳婦言

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「水場」の意味・読み・例文・類語

みず‐ばみづ‥【水場】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 低い土地でよく出水する場所。ぬかるみの地。
    1. [初出の実例]「水場(ミツバ)じゃア手めへらかつらアのき場にしておくとな助舟がなくてもまづあんどだは」(出典:洒落本・駅舎三友(1779頃)きぬぎぬ)
  3. 江戸時代、水につかりやすいデルタ地帯の田園をいう。
    1. [初出の実例]「関東も水場にはわり地の村有之也」(出典:地方凡例録(1794)二)
  4. あらかじめ水を貯めてある場所。
    1. [初出の実例]「釣って来た鮒と我為に水場(ミヅバ)の魚塘(いけす)から上げさした鱸で晩餐が開かれ」(出典:帰去来(1901)〈国木田独歩〉一一)
  5. 登山などで、飲料用などの水を確保できる場所。「水場を探す」
  6. 野生動物が水を飲みに集まる場所。
  7. ( 水を扱う場所の意から ) 寄席で、客に出す茶、タバコ盆火鉢などをととのえる所。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の水場の言及

【泉】より

…奄美地方では,集落から遠く離れた暗河(くらごう)と呼ぶ鍾乳洞内の地下水を,厳しい規則を設けて利用した。水場は神の支配地であり,水神や井の神などと呼んでこれを祭り,新年の若水も古くからの水場から迎えるところが多い。各地に伝わる,弘法大師などの宗教者が水が不足する土地の者のためにその杖を地に突き刺して水を出してやったといういわゆる弘法清水伝説も,いかに人びとが水に苦しんでいたかを語っている。…

※「水場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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