化学辞典 第2版 「水素化リチウム」の解説
水素化リチウム
スイソカリチウム
lithium hydride
LiH(7.95).溶融Liに700~900 ℃ で水素ガスを反応させてつくる.立方晶系結晶で岩塩型構造.Li-H2.04 Å.純粋な白色であるが,貯蔵により黒変するため,市販品は普通灰色.密度0.77 g cm-3.融点680 ℃.一般に溶媒に難溶であるが,ジエチルエーテルに微溶.水とはげしく反応して H2 を発生し,LiOHとなる.アルコール類とも反応する.NH3とは高温で反応してリチウムアミドをつくる.室温,乾燥空気中では安定で,高温では,Cl2,O2,N2 などとも反応する.AlCl3と反応して,有機(薬品)合成工業に重要な還元剤LiAlH4となる.ハロゲン化シランの還元剤として,半導体用のシラン合成に使われる.加水分解で大量の水素が発生するため,野外などで水素発生源(風船・気球用など)に用いられる.[CAS 7580-67-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報