改訂新版 世界大百科事典 「水道メーター」の意味・わかりやすい解説
水道メーター (すいどうメーター)
water meter
管内の水流の流量積算値を表示する計器。水道の取引に使われるので,構造や検定などについて計量法の適用をうける。
測定原理は実測式と推測式とに大別される。実測式は水道水の圧力によりメーターの計量空間を充満し排水する動作の繰返回数を計数する容積流量計で,円板形,ロータリーピストン形などがある。精度はよいが構造が複雑で高価なので,日本では最近使われなくなった。推測式は流れの運動エネルギーを利用して羽根車を回し,その回転数を歯車で減速して表示する。故障が少なく安価なので,日本ではほとんどこの方式が使われる。
羽根車の軸が流れに平行な軸流形(図1)は,水の圧力損失が小さいので大容量測定に適しているが,軸が流れに垂直である接線流羽根車形がより一般的である。接線流羽根車形には単箱式と複箱式とがある(図2)。前者は構造が簡単なので小型の家庭用に使われるが,後者は噴流が羽根に及ぼす力が平衡しているので回転が滑らかである。羽根車と表示部の指針やカウンターとは機械的に結合しているが,指示部のみを分離し,電気信号で伝達して集中検針や自動検針を可能にしたものもあり,隔測形と呼ばれる。
水道メーターの圧力損失が水柱5mになる流量を基準流量と呼び,それから1/5の流量までの許容公差は指示値の±2.5%,1/5未満1/20までの範囲は指示値の±4%が一般的特性である。
執筆者:山崎 弘郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報