永宮健夫(読み)ながみやたけお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「永宮健夫」の意味・わかりやすい解説

永宮健夫
ながみやたけお
(1910―2006)

物理学者。東京生まれ。1933年(昭和8)東京帝国大学理学部物理学科卒業。1939年大阪帝国大学理学部助教授、1943年同大学教授となる。第二次世界大戦後の日本の固体物理学の発展に指導的役割を果たした理論物理学者の一人である。初期のおもな仕事には、塩化アンモニウムなどの結晶内の分子の方向配列と回転的振動の理論がある。1951年に反強磁性共鳴理論を発表、それ以後、反強磁性体の異方性エネルギーの研究を進め、スピンらせん構造を提唱するなど磁性体研究で業績をあげた。1963年学士院恩賜賞を受賞カリフォルニア大学アリゾナ大学、オハイオ州立大学各客員教授、関西学院大学教授、大阪大学名誉教授を歴任した。

[常盤野和男]

『永宮健夫・松原武生著『固体の原子論』(1951・共立出版)』『永宮健夫・久保亮五編『固体物理学』(1961・岩波書店)』『永宮健夫著『応用微分方程式論』(1967・共立出版)』『永宮健夫著『磁性の理論』(1987・吉岡書店)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「永宮健夫」の解説

永宮健夫 ながみや-たけお

1910-2006 昭和-平成時代の物理学者。
明治43年6月1日生まれ。昭和18年大阪帝大教授となる。49年関西学院大教授。26年結晶中の反強磁性体の磁気共鳴吸収理論を発表。38年学士院恩賜賞。平成18年6月3日死去。96歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「固体論」「磁性の理論」など。

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