汗腺炎(読み)かんせんえん

精選版 日本国語大辞典 「汗腺炎」の意味・読み・例文・類語

かんせん‐えん【汗腺炎】

  1. 〘 名詞 〙 汗腺化膿菌が侵入して起こる炎症わきの下に多汗症やかゆい皮膚病があって二次的に起こる化膿性腋下汗腺炎と、「あせものより」と呼ばれる乳児多発性汗腺膿瘍とがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「汗腺炎」の意味・わかりやすい解説

汗腺炎
かんせんえん

汗腺に化膿(かのう)菌である黄色ブドウ球菌が感染して炎症をおこしたもので、俗に「あせものより」という。汗腺にはエクリン腺アポクリン腺があるが、夏季汗疹(あせも)に伴って乳幼児の頭、顔、首などに多発するエクリン汗腺炎と成人のわきの下や陰部に生ずるアポクリン汗腺炎とがある。いずれも皮膚の深部に痛みのあるしこりとして現れ、化膿が進むと表面の皮膚が赤くはれ、やがてぶよぶよして破れ、膿(うみ)が出る。皮膚の衛生、局所の安静に留意し、蒸しタオルで汗をぬぐい、抗生物質軟膏(なんこう)や湿布を用いる。症状の強いときには抗生物質の内服、また炎症の進んだものは小切開を加えて排膿する。

[野波英一郎]

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