江戸桜(読み)エドザクラ

精選版 日本国語大辞典 「江戸桜」の意味・読み・例文・類語

えど‐ざくら【江戸桜】

  1. [ 1 ]
    1. サトザクラの園芸品種。花は紅色。中央は淡紅色大形の重弁で、多数集まって美しく咲く。観賞用に植えられる。《 季語・春 》 〔俳諧・増山の井(1663)〕
      1. [初出の実例]「そのかたはいまだ盛(さかり)といへば、江戸桜(サクラ)の人も詠(なが)めに惜む程なり」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)五)
    2. 植物そめいよしの(染井吉野)」の異名
    3. 江戸での華やかなもの、美しいものをたとえていう。
      1. [初出の実例]「見ぬ恋の海ふかふなって、其翌日首尾を調へ、一座の愛敬しめやかなる心底、初会より身請して江戸桜とはなしぬ」(出典:浮世草子・御入部伽羅女(1710)一)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 江戸で流行したおしろいの名。また、その発売所。本町二丁目式亭三馬の店の筋向かいにあった。
    2. [ 二 ] 明治時代に流行した頭痛膏の名。女性がこめかみに貼った。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android