池魚の災(読み)ちぎょのわざわい

精選版 日本国語大辞典 「池魚の災」の意味・読み・例文・類語

ちぎょ【池魚】 の=災(わざわい・さい)[=憂(うれい)

  1. ( 池に投ぜられた宝珠を得ようと池をさらったため、中の魚がすべて死んだという「呂氏春秋‐孝行覧・必己」の故事による。ただし、城門が焼けた時、池の水を使ったために死んだとして引用されることが多い ) 思いがけない災難にまきこまれること。そばづえをくうこと。特に、火事類焼にあうこと。また、火事をいう。
    1. [初出の実例]「池魚(チギョ)の災(ワザハヒ)承、〈略〉御難義の程察し申す」(出典:北枝宛芭蕉書簡‐元祿三年(1690)四月二四日)
    2. 「元祿年中金城に池魚(チぎょ)の憂(ウレヘ)有りて、房屋過半曠野となる」(出典:俳諧・俳諧世説(1785)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「池魚の災」の解説

池魚の災い

思いも寄らない災難に巻き込まれること。特に、火事で類焼にあうこと。また、火事をいう。

[由来] 「太平広記」という中国書物に引用された、「風俗通」という書物に出て来る話から。ある城壁の門が火事になったとき、近くの池(堀)から水を汲み出して火を消したため、池の水がなくなり、池の魚はみんな死んでしまいました。ここから、「池魚災い」は、予想できないとばっちりの災難や、火事を指して使われるようになりました。

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