日本大百科全書(ニッポニカ) 「汾陽」の意味・わかりやすい解説
汾陽
ふんよう / フェンヤン
中国、山西(さんせい)省中部の県級市。太原(たいげん)盆地の南西にあって、太原と汾河(ふんが)の中・下流域との中間点を占める交通上の要衝である。呂梁(ろりょう)地級市に属する。人口42万5000(2014)。漢代に茲氏(じし)県が置かれ、魏(ぎ)代には西河(せいか)郡の治所も置かれた。南北朝時代には県は隰城(しつじょう)と改められ、西河郡より上位の行政単位である汾州の治所ともなり、山西中西部を統括する中心となった。その後、県は唐代に西河県となり、西河郡、または汾州が置かれた。明(みん)代に一時県が廃されたが、ふたたび汾陽県が置かれた。1996年に市制施行。
盆地の平野では小麦、雑穀、コウリャンなどを産し、山地ではクルミを多く産する。また市内の杏花村(きょうかそん)鎮は良好な水に恵まれ、中国八大銘酒の一つ、汾酒(フェンチウ)の生産で知られる。
[秋山元秀・編集部 2017年10月19日]