沈溺(読み)チンデキ

デジタル大辞泉 「沈溺」の意味・読み・例文・類語

ちん‐でき【沈溺】

[名](スル)
水におぼれること。
士官をはじめ二三十名―なして行方知れず」〈染崎延房・近世紀聞〉
物事に夢中になって深入りすること。耽溺たんでき惑溺
遨遊ごうゆうに―するの憂えあらんのみ」〈織田訳・花柳春話

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精選版 日本国語大辞典 「沈溺」の意味・読み・例文・類語

ちん‐でき【沈溺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 水に沈みおぼれること。ちんじゃく。
    1. [初出の実例]「其船忽ち破裂して乗組の者のうち士官をはじめ二三十名沈溺(チンデキ)なして行方知れず」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉四)
    2. [その他の文献]〔潘岳‐狭室賦〕
  3. 水におぼれたような苦しみ。
    1. [初出の実例]「誠能拯蒼生之沈溺、縫皇風之絶廃」(出典:経国集(827)二〇)
    2. [その他の文献]〔司馬相如‐難蜀父老文〕
  4. ( ━する ) ある物事にふけり夢中になること。物事に心を奪われ深入りすること。耽溺。惑溺。沈藉。
    1. [初出の実例]「しかあるに村人の身心に沈溺せらんは、かたくなにして、世俗にもわらひぬべきことおほし」(出典:正法眼蔵(1231‐53)礼拝得髄)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐陳元伝〕

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