沖ノ島村(読み)おきのしまむら

日本歴史地名大系 「沖ノ島村」の解説

沖ノ島村
おきのしまむら

[現在地名]伊王島沖之島おきのしま

伊王島の南東にある沖之島を村域とする。南部に遠見とおみ岳があり、南東の大中おおなか瀬戸を挟んで香焼こうやぎ島がある。「長崎図志」ではたき島とする。唐船とうせん江は遣唐使船の寄港跡といわれる。江戸時代は肥前佐賀藩家老の深堀鍋島家領で、深堀ふかほり(現長崎市)の属島であったが、元禄年間(一六八八―一七〇四)に分立したというものの、天保郷帳などに記載がなく、その後も深堀村内として扱われる場合が多い。寛永二〇年(一六四三)伊王島遠見番所が置かれ、長崎に入る異国船を監視、正保元年(一六四四)より侍足軽を置いた(長崎御番方大概抜書)。遠見岳は遠見番所に由来する。同三年四月当時、深堀所々の番として伊王島とみえ、組頭一人・主従一〇人と鉄砲の者一〇人が詰め、小早二〇挺立一艘・四〇挺立一艘が備えられ、沖島には鑓・鉄砲の者が置かれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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