香焼島(読み)こうやぎしま

日本歴史地名大系 「香焼島」の解説

香焼島
こうやぎしま

中世にみえる彼杵そのき戸町とまち浦のうちの島。正嘉元年(一二五七)閏三月三〇日の関東御教書(深堀文書)に「戸八浦内河矢□島」とみえ、深堀行光はこの島について訴えており、幕府は六波羅探題に調査を命じている。戸町浦のほかの地と同じく戸町氏との相論に関連するものであったと考えられ、弘安六年(一二八三)にも戸町浦地頭の深堀時仲が「香焼杉(浦カ)」を戸町俊基が押領したとして訴えているので、前の沙汰を調べて成敗するよう少弐経資に命じている(同年一一月一七日六波羅探題御教書)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「香焼島」の意味・わかりやすい解説

香焼島
こうやぎしま

長崎市香焼町に位置し、長崎港外にあった島。周囲約15キロメートル。北東蔭ノ尾島(かげのおじま)とは埋立てによって結ばれ、また1971年(昭和46)には本土側の深堀(ふかぼり)との間の埋立が完成して、本土と陸続きとなっている。かつての島の部分は第三紀層の丘陵からなり、最高峰遠見(とおみ)岳(120メートル)。明治以来近代的採炭が行われ、海底炭田拠点をなしたが、1964年に至って閉山した。

[石井泰義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「香焼島」の意味・わかりやすい解説

香焼島
こうやぎしま

長崎県南部,長崎湾口にある島。長崎市に属する。東方にある長崎半島深堀との間の香焼水道(→香焼)が埋め立てられて陸繋島となっている。夾炭層(きょうたんそう。→炭層)を含む丘陵からなり,古くから炭鉱造船の島として知られた。三菱長崎造船所(2015施設の一部が世界遺産に登録)を中心とする造船関連工業の島となっている。

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デジタル大辞泉プラス 「香焼島」の解説

香焼(こうやぎ)島

長崎県長崎市、長崎湾口にあった島。昭和時代三菱重工業長崎造船所進出による埋め立てで、現在は陸繋化している。

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世界大百科事典(旧版)内の香焼島の言及

【香焼[町]】より

…人口4685(1995)。かつては長崎湾に浮かぶ香焼島を町域としたが,香焼と対岸の深堀との間の海面が埋め立てられ,長崎市南西部と陸続きになった。明治以降,良質炭を産出する炭鉱の町として発展し,川南造船所もあって第2次世界大戦中は繁栄したが,戦後,造船所が倒産し,炭鉱も1964年に閉鎖され,一時は2万人をこした人口も5000人を割るまでに減少した。…

※「香焼島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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