沢根町(読み)さわねまち

日本歴史地名大系 「沢根町」の解説

沢根町
さわねまち

[現在地名]佐和田町沢根町

沢根村の東、東は五十里籠いかりかご町。真野まの湾の最も奥にある。沢根城下として、また鶴子つるし銀山の銀鉱石積出港として発展した。沢根城跡のある字かみじようから字質場しちばの港への道を字元町もとまちといい、町はここから海岸に沿って展開していった。慶長三年(一五九八)一二月日の秋田藤太郎材木入用帳案(秋田家文書)に「さわねの甚介」とみえ、文禄三年(一五九四)豊臣秀吉が京都伏見ふしみ城の築城を始めるにあたり、城材として秋田あきた(現秋田県)から杉板の輸送に携わっている。甚介のほか新潟の石井彦五郎、出雲崎いずもざき(現三島郡出雲崎町)の橘屋次郎左衛門尉の名もみえるので、廻船業を営んだ者とみられる。慶長―元和(一五九六―一六二四)の頃を過ぎると鶴子銀山は不景気となった。「佐渡四民風俗」によると、沢根町の不景気のため問屋役地子銀は、万治元年(一六五八)正月より同年三月までの三ヵ月分銀一七三匁三分が免除されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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