日本大百科全書(ニッポニカ) 「河曲」の意味・わかりやすい解説
河曲
かきょく / ホーチュイ
中国、山西(さんせい)省北西辺の県。忻州(きんしゅう)市に属し、陝西(せんせい)省、内モンゴル自治区と境を接する。人口14万7429(2013)。黄河(こうが)が急激に湾曲しているところから名づけられた。万里の長城と黄河が交わる所にあり、北方守備の軍事基地であった。金(きん)代に県が設けられ、明(みん)代にはこの付近の黄河に沿って多くの要塞が設けられた。黄土地帯で農業は雑穀を中心にするのみで振るわない。山西中心部より、黄河を越えて北西の内モンゴル河套(かとう)平原地域へ至る交通路が通る。
なお歴史上の地名としては、この県のほかに山西省南西部芮城(ぜいじょう)県付近、青海(せいかい)省南東部の、いずれも黄河が大きく湾曲する地域を河曲という。
[秋山元秀・編集部 2017年10月19日]