油絵・油画(読み)あぶらえ

精選版 日本国語大辞典 「油絵・油画」の意味・読み・例文・類語

あぶら‐え ‥ヱ【油絵・油画】

〘名〙
近世、髪結床の腰障子などに、胡麻油などで描いた絵。
※俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟かしらも髭もぬれ渡りけり 獅子やぎうさても書たる油画(アブラヱ)に」
② 漆で塗った面に、朱丹、黄土緑青などの顔料に油と密陀僧(みつだそう)(一酸化鉛)を混ぜた物で描いた絵。硯蓋重箱に描き、駿河国府中(静岡市)の名産とした。密陀絵
※洒落本・龍虎問答(1779)「油絵(アフラヱ)の唐女におぼしき」
③ 油を媒剤とした絵の具で描いた西洋画。通常、カンバス、板などの上に筆で描かれる。混色、重色の効果が大きく、画面は堅牢。一五世紀初め、フランドルのバン=アイク兄弟が技法を確立したといわれ、近世以降、西洋絵画技術の主流となった。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉六「油画を作る事を学ばんと欲して」

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