胡麻油(読み)ゴマアブラ(その他表記)sesame oil

デジタル大辞泉 「胡麻油」の意味・読み・例文・類語

ごま‐あぶら【×胡麻油】

ゴマ種子を絞ってとった油。料理ほか髪油としても使われたことがある。

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精選版 日本国語大辞典 「胡麻油」の意味・読み・例文・類語

ごま‐あぶら【胡麻油】

  1. 〘 名詞 〙 ゴマの種子をしぼって製した食用脂肪油。黒い種子を使ったものは「くろしぼり」といって揚物用、白い種子のは、「しらしぼり」といって、揚物用や婦人の頭髪油として用いる。胡麻の油。
    1. [初出の実例]「胡麻油玖合陸夕」(出典:正倉院文書‐天平一一年(739)伊豆国正税帳)

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改訂新版 世界大百科事典 「胡麻油」の意味・わかりやすい解説

ゴマ(胡麻)油 (ごまあぶら)
sesame oil

ゴマの種子から圧搾などにより採取される油脂常温で圧搾すると淡黄色の油が得られるが,いったゴマから搾られる油は黄褐色で特有の香りと味をもつ。おもに白ゴマが原料とされる。とくに日本では,てんぷら等の揚げ物,いため物用の食用油として,単体あるいは他の食用油と混合して好んで用いられている。半乾性油。原料のゴマはインド,中国,ミャンマースーダンに多く産する。脂肪酸組成の一例は,オレイン酸42.4%,リノール酸40.1%,パルミチン酸11.9%,ステアリン酸5.3%,リノレン酸0.4%。特有の微量成分としてセサミンセサモリンを含み,セサモリンが分解して生じるセサモールは優れた酸化防止効力を有する。比重0.914~0.929,凝固点-3~-6℃,タイター(脂肪酸の凝固点)20~25℃,ケン化価186~195,ヨウ素価103~118,屈折率nD1.473~1.476。エチルアルコールにわずかに溶け,ベンゼン,エチルエーテルおよびクロロホルムなどには溶けやすい。
食用油
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化学辞典 第2版 「胡麻油」の解説

ごま油
ゴマアブラ
sesame oil

ゴマの種子(含有量45~55%)を圧搾すると得られる半乾性脂肪油.主産地はインド,中国,アメリカなど.微黄色または黄金色の液体で,かすかに特異の臭気をもち,味は緩和で敗油性はない.0.914~0.929.1.473~1.476.凝固点-3~-6 ℃.エタノールに難溶,エーテル,石油ベンジン,クロロホルムまたは二硫化炭素とよく混和する.主成分はリノール酸(33~47%),オレイン酸(37~65%),パルミチン酸ステアリン酸イコサン酸などのグリセリドである.食料油,膏薬剤の原料などに用いられる.

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百科事典マイペディア 「胡麻油」の意味・わかりやすい解説

ゴマ油【ゴマあぶら】

ゴマの種子を圧搾してとった油。半乾性油で,オレイン酸リノール酸のほかステアリン酸パルミチン酸などとセサミンを含む。かおりがよく代表的な食用油として揚物,いため物などに用い,特に中国料理では香味づけに使用。また軟膏基剤,髪油などにも使用される。

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世界大百科事典(旧版)内の胡麻油の言及

【ゴマ(胡麻)】より

…種子をいって粉砕し,蒸して圧搾して油をとる。ゴマ油は風味佳良で,とくに精製する必要がないほどであるが,精製すればゴマ白絞油がとれる。オレイン酸,リノール酸を多量に含む半乾性油である。…

【食用油】より

…食用に適する油脂の総称。常温で液状のものは油(脂肪油),固体のものを脂(脂肪)というが,通常用いているダイズ油,ナタネ油,ゴマ油などは植物性食用油である。動物性食用油の部類に入る魚油鯨油は酸化変敗を受けやすく,不快臭をもちやすいため,そのままではほとんど用いられない。…

※「胡麻油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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