ゴマの種子から圧搾などにより採取される油脂。常温で圧搾すると淡黄色の油が得られるが,いったゴマから搾られる油は黄褐色で特有の香りと味をもつ。おもに白ゴマが原料とされる。とくに日本では,てんぷら等の揚げ物,いため物用の食用油として,単体あるいは他の食用油と混合して好んで用いられている。半乾性油。原料のゴマはインド,中国,ミャンマー,スーダンに多く産する。脂肪酸組成の一例は,オレイン酸42.4%,リノール酸40.1%,パルミチン酸11.9%,ステアリン酸5.3%,リノレン酸0.4%。特有の微量成分としてセサミン,セサモリンを含み,セサモリンが分解して生じるセサモールは優れた酸化防止効力を有する。比重0.914~0.929,凝固点-3~-6℃,タイター(脂肪酸の凝固点)20~25℃,ケン化価186~195,ヨウ素価103~118,屈折率nD1.473~1.476。エチルアルコールにわずかに溶け,ベンゼン,エチルエーテルおよびクロロホルムなどには溶けやすい。
→食用油
執筆者:内田 安三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ゴマの種子(含有量45~55%)を圧搾すると得られる半乾性脂肪油.主産地はインド,中国,アメリカなど.微黄色または黄金色の液体で,かすかに特異の臭気をもち,味は緩和で敗油性はない.0.914~0.929.1.473~1.476.凝固点-3~-6 ℃.エタノールに難溶,エーテル,石油ベンジン,クロロホルムまたは二硫化炭素とよく混和する.主成分はリノール酸(33~47%),オレイン酸(37~65%),パルミチン酸,ステアリン酸,イコサン酸などのグリセリドである.食料油,膏薬剤の原料などに用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…種子をいって粉砕し,蒸して圧搾して油をとる。ゴマ油は風味佳良で,とくに精製する必要がないほどであるが,精製すればゴマ白絞油がとれる。オレイン酸,リノール酸を多量に含む半乾性油である。…
…食用に適する油脂の総称。常温で液状のものは油(脂肪油),固体のものを脂(脂肪)というが,通常用いているダイズ油,ナタネ油,ゴマ油などは植物性食用油である。動物性食用油の部類に入る魚油,鯨油は酸化変敗を受けやすく,不快臭をもちやすいため,そのままではほとんど用いられない。…
※「胡麻油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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