密陀僧(読み)ミツダソウ

精選版 日本国語大辞典 「密陀僧」の意味・読み・例文・類語

みつだ‐そう【密陀僧】

  1. 〘 名詞 〙酸化鉛別名。鉛を赤熱して溶かし、空気に触れさせて酸化させるもので、急冷したものは淡黄色になり銀密陀、ゆっくり冷やしたものは赤黄色になり金密陀と呼ばれ、顔料に用いる。密陀
    1. [初出の実例]「蜜陁僧八斤十両 并壺」(出典:正倉院文書‐天平勝宝八年(756)七月二六日・東大寺献物帳)

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色名がわかる辞典 「密陀僧」の解説

みつだそう【密陀僧】

色名一つ古代から壁画などに用いられた顔料黄色みがかった薄い茶色のこと。原料一酸化鉛。顔料のほか絵の具などに用いられたが毒性のため今日ではあまり使用されない。洋名はマシコット(massicot)。同じ酸化鉛を用いる顔料に鉛丹えんたんがある。主成分四酸化三鉛でややみを強くしただいだい

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改訂新版 世界大百科事典 「密陀僧」の意味・わかりやすい解説

密陀僧 (みつだそう)

酸化鉛(Ⅱ)PbOのこと。一酸化鉛,リサージとも呼ばれる。
酸化鉛

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世界大百科事典(旧版)内の密陀僧の言及

【酸化鉛】より

…酸化鉛といえば通常これを指す。密陀僧(みつだそう),リサージlithargeとも呼ばれ,天然にも存在し古くから知られている。鉛を空気中で加熱すると黄色の粉末として得られる。…

【密陀絵】より

…エゴマから採取する荏油(えのあぶら),桐油(きりあぶら)などに乾燥剤として密陀僧(酸化鉛(II)PbO)をまぜて煮つめ,それに顔料を混和して描く一種の油絵。文献では,万治3年(1660)の《武陵雑筆》に〈密陀僧塗〉,宝暦3年(1753)の《東照宮御結構書》に〈唐油蒔絵〉とあるが,それ以前の呼称は定かでない。…

※「密陀僧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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