治田郷(読み)はつたごう

日本歴史地名大系 「治田郷」の解説

治田郷
はつたごう

東は員弁川、北は員弁川支流の多志田たしだ川、南は同支流のあお川、西は藤原ふじわら(一〇〇九・六メートル)りゆうヶ岳(一〇九九・六メートル)に連なる峰々によって囲まれた一帯で、現北勢町の西南部。「神鳳鈔(新校群書類従本)に「二宮治田御厨六石」とみえる。同書奥書の注記に従えば、少なくとも建久四年(一一九三)には伊勢神宮領になっていたと推定しうる。また「外宮神領目録」にも「治田御厨三石内但十石副米一石 六月一石九月一石十二月一石」とある。


治田郷
はたごう

和名抄」高山寺本・東急本ともに「発多」(ハタ)と訓ずる。後世の治田村を「ハルタ」としたのは文字に引かれた訓か、もともと「ハルタ」「ハリタ」であったのが転じたのかは不明。「太神宮諸雑事記」康平六年(一〇六三)二月条によれば、伊勢太神宮の祈年祭に必要な物資が「栗太郡乃貫首之宅」と「治田郷専当之許」に準備されていたが、当郷の宿所で火事にあい御幣を焼いたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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