精選版 日本国語大辞典 「沽却」の意味・読み・例文・類語 こ‐きゃく【沽却】 〘 名詞 〙 物品を売り払うこと。売却。[初出の実例]「件占地、於寺家無益、若有沽却者、以稲四千束充価直」(出典:東南院文書‐四ノ二・延暦二〇年(801)一二月一六日・東大寺三綱牒案)「柴木を下し、沽却(コキャク)して、妻子をはごくむものにて」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)下) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
改訂新版 世界大百科事典 「沽却」の意味・わかりやすい解説 沽却 (こきゃく) 売却すること。中世の土地売却証文は,一般にその冒頭を〈売渡〉〈沽却〉などの文言で書き出すので,〈売券〉〈沽券〉〈沽却状〉などという。平安時代から鎌倉時代前期には,むしろ沽券が一般的といえるが,以後しだいに売券に圧倒されていく。この〈沽〉という語が〈うる〉〈かう〉の両義をもち,小売・小買を意味するという本来の語義を考えると,この用法の変化に売買観念の変質を見ることも可能である。執筆者:勝俣 鎮夫 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by