法と経済学(読み)ほうとけいざいがく(英語表記)law and economics; economic analysis of law

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法と経済学」の意味・わかりやすい解説

法と経済学
ほうとけいざいがく
law and economics; economic analysis of law

シカゴ学派に由来する法学方法論,法分析手法。 1970年代前半よりアメリカで盛んになり,現在では主要なロー・スクールにはほとんど例外なく講座が開設されている。おもな論者には,シカゴ大学の R.ポズナーエール大学の G.カラブレジなどがいる。大別すると,厚生経済学理論を端的に法現象に適用しようとする「実証的な法と経済学」と,法制度を設計する際にどのような制度が望ましいのかを厚生経済学の理論を用いて判断していこうとする「規範的な法と経済学」とに分れる。契約法や不法行為法,環境法,経済法などの領域一定成果をあげているが,効率の問題には有効であるものの正義の問題については答えられないとして,常に法学と経済学の根底的差異に立脚した批判が加えられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android