法隆寺若草伽藍(読み)ほうりゅうじわかくさがらん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「法隆寺若草伽藍」の解説

法隆寺 若草伽藍
ほうりゅうじわかくさがらん

法隆寺境内にある飛鳥時代の寺院跡。1939年(昭和14)石田茂作らが発掘し,塔・金堂遺構を確認した。塔と金堂が南北に配された四天王寺式伽藍配置の寺が,法隆寺西院伽藍に先行して存在していたことが判明し,670年(天智9)に焼亡したと伝えられる斑鳩(いかるが)寺と考えられた。これによって法隆寺再建・非再建論争に終止符がうたれた。1978年度からの調査で,若草伽藍中枢部の北辺と西辺を画する柵の遺構が検出された。創建時の軒丸瓦は単弁九葉蓮華文を飾るもので,四天王寺同笵の単弁八葉蓮華文のものもある。軒平瓦には手彫の忍冬文(にんどうもん)が施されている。跡地は国史跡。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の法隆寺若草伽藍の言及

【鬼瓦】より

…8世紀以降,建物の安穏を祈り鬼面を飾ったものが主として用いられたため,鬼瓦の名称が一般的で,鬼板とも呼ぶが,7世紀代には蓮華文で飾った。日本最古の鬼瓦は法隆寺若草伽藍のもので,複数の単弁8弁蓮華文を焼成前に彫刻している。文様構成は百済時代のものに似る。…

※「法隆寺若草伽藍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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