津留井手
つるいで
現山鹿市津留地区の水田を潤す井手。通称は釘の花のまぶ。全長約四キロ。文化元年(一八〇四)一月に着工し、同年五月に完成。芋生の東細永で岩野川に第一の堰桃が淵のせきを設け、ここで取水。水は岩野川に沿って掘られた約三六〇メートルの隧道を通り、釘の花から西に折れ、国道三号下を横切り芋生川に注ぐ。この間を地元では百間まぶとよぶ。芋生川と合流した用水は、同川に設けられた第二の堰新淵のせきで本溝に流入、岩野川に沿って南下し、津留地区を灌漑する。津留の正円寺楼門右手横に津留井手の記念碑がある。側面に「文化元子正月 新井手積打立同辰之月成就」とあり、別の一面に惣庄屋の金栗瀬助を筆頭に、庄屋・頭百姓などの村役人や関係者の名がみられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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