洪武銭とも。中国明代の洪武年間(1368~98)に鋳造された銅銭。室町時代に相当量輸入され,永楽銭とともに通貨として使用された。室町末期には渡来銭の模鋳が各地で行われ,洪武銭の模鋳は大隅国の加治木銭(かじきせん)が有名。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…方孔をはさんで上下に永楽,右左に通宝,の字が刻まれている。永楽帝の父,洪武帝の鋳た洪武通宝には1,2,3,5,10文の5種類があり,建文帝も5種の建文通宝を作ったらしいが,永楽通宝は1文相当の銅銭1種のみである。永楽通宝の鋳造が開始された時期については諸文献の記載が異なるが,通説では1408年(永楽6),北京でまず鋳造され,11年,浙江,江西,広東,福建の4布政司の管轄下で大々的に鋳造され始めたとされている。…
…中国の明朝鋳造の銅銭。明の太祖は即位前1361年(元の至正21)大中通宝を,即位後68年(洪武1)洪武通宝を鋳造した。以後歴代その年号を付した銅銭(制銭という)を鋳造,16世紀初期の武宗の正徳まで9号の鋳銭があったというが,実際は洪武,永楽(1408(成祖永楽6)鋳造),宣徳(1433(宣宗宣徳8)),弘治(1503(孝宗弘治16))の4通宝がみられるのみである。…
※「洪武通宝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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