日本大百科全書(ニッポニカ) 「流れる星は生きている」の意味・わかりやすい解説
流れる星は生きている
ながれるほしはいきている
藤原てい(1918―2016)作のノンフィクション文学。1949年(昭和24)日比谷(ひびや)出版社刊。著者は気象学の大家藤原咲平(さくへい)の娘で、夫藤原寛人(ひろと)(後の作家新田(にった)次郎)とともに旧満州国の都新京(現、中国長春市)に住み、敗戦の日を迎える。27歳で3人の子供を抱えた著者は、混乱のなかで夫と離れ離れになり、幾多の困難と危機に出会いながら、朝鮮半島を歩きぬいて1年後に帰国する。その旅を記録的に描いたのがこの作品で、多くの人の共感をよび、いわゆるベストセラーとなった。
[上笙一郎]
『『流れる星は生きている』(1984・中央公論社)』▽『『流れる星は生きている』(ちくま少年文庫・偕成社文庫・中公文庫)』