浄照坊(読み)じようしようぼう

日本歴史地名大系 「浄照坊」の解説

浄照坊
じようしようぼう

[現在地名]天王寺区真田山町

浄土真宗本願寺派で山号空竟山、本尊阿弥陀如来。開基は本願寺八世蓮如の弟子法円。文明一三年(一四八一)一二月蓮如が法円の子法光に下付した法円絵像が残る。法円は慈願じがん(現八尾市)の六世で久宝寺法円とも称した。蓮如は明応五年(一四九六)大坂坊舎(のちの石山本願寺)を建立するが、その近くに慈願寺の通寺として開創されたのが当寺である。法光の代まで両寺を兼務していたが、法光の長子法淳が慈願寺の、次子栄春が当寺の住持となった。蓮如との関係は法円絵像のほかに蓮如筆の「御文章」の草稿本を蔵することからもうかがえる。山科やましな本願寺(現京都市山科区)の時代(一四八二―一五三二)から寺号(坊号)を有していたと伝えられる。天文二年(一五三三)本願寺の寺基が山科より石山いしやま(現東区)に移転しいわゆる石山本願寺時代となると、当寺は同寺一〇世証如の側近あるいは御堂衆として近習した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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