朝日日本歴史人物事典 「浅田一鳥」の解説
浅田一鳥
生年:生年不詳
江戸中期,上方の浄瑠璃作者。豊竹座の作者として寛保1(1741)年から明和4(1767)年の26年間に計42編の合作または増補にたずさわったが,単独作はない。京都堺町に住んだ謡師森野長三郎の筆名であったと伝える。それ以外の出自,経歴はいっさい分からない。なお元文年間(1736~41)に文耕堂,三好松洛 らと共に竹本座の浄瑠璃3作にかかわった浅田可啓とは同一人の可能性も考えられる。関与作で現在も上演されるものに,「一谷嫩軍記」「祇園祭礼信仰記」「岸姫松轡鑑」などがある。<参考文献>入我亭我入『戯財録』(日本思想大系61巻),『義太夫年表/近世篇1』,国立劇場芸能調査室編『浄瑠璃作品要説(6) 為永太郎兵衛・浅田一鳥篇』
(井口洋)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報