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玉藻前曦袂 たまものまえあさひのたもと

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

玉藻前曦袂
たまものまえあさひのたもと

浄瑠璃。時代物。5段。浪岡橘平浅田一鳥らの合作。寛延4 (1751) 年大坂豊竹座初演。のちに近松梅枝軒佐川藤太により改作され,『絵本増補玉藻前旭袂』として文化3 (1806) 年大坂御霊境内で鶴沢伊之助座が初演。妖狐「玉藻の前」伝説を扱った謡曲殺生石』などを下敷きに,鳥羽院の兄薄雲王子の反逆をからめて脚色。現在は改作の3段目切鷲塚金藤次の悲劇を描く「道春館」が独立してしばしば上演される。

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デジタル大辞泉の解説

たまものまえあさひのたもと〔たまものまへあさひのたもと〕【玉藻前曦袂】

浄瑠璃。時代物。五段。近松梅枝軒・佐川藤太合作。文化3年(1806)初演。浪岡橘平らの同名の先行作を改作。天竺(てんじく)から唐土・日本と渡った金毛九尾の狐の伝説を脚色したもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

たまものまえあさひのたもと【玉藻前曦袂】

(1)人形浄瑠璃。時代物。5段。角書〈那須野狩人那須野猟師〉。浪岡橘平,浅田一鳥,安田蛙桂作。1751年(宝暦1)正月大坂豊竹座初演。謡曲《殺生石》や紀海音浄瑠璃《殺生石》(享保(1716‐36)初年ごろ,大坂豊竹座)などを基盤に脚色された作品で,三国伝来の金毛九尾の狐の伝説を素材とし,それに鳥羽院の兄薄雲王子の叛逆事件を絡ませて複雑な筋立てを展開させたもの。玉藻前を狐ではなく人間として設定しているところに独自の作意があった。

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大辞林 第三版の解説

たまものまえあさひのたもと【玉藻前曦袂】

人形浄瑠璃。時代物。近松梅枝軒・佐川藤太作。1806年初演。浪岡橘平・浅田一鳥ら作の同名の浄瑠璃を改作したもの。天竺・唐土・日本を舞台に九尾の狐が美女にとりついて悪行をはたらくという筋。現在は三段目の切「藤原道春館の場」のみ上演される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

玉藻前曦袂
たまものまえあさひのたもと

浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。時代物。五段。近松梅枝軒(ばいしけん)・佐川藤太合作。1806年(文化3)3月大坂・御霊境内(ごりょうけいだい)芝居初演。三国伝来の金毛九尾の狐(きつね)の伝説に、鳥羽(とば)院の兄薄雲王子(うすぐものおうじ)の反逆を絡ませた構成で、浪岡橘平・浅田一鳥(いっちょう)・安田蛙桂(あけい)合作により1751年(寛延4)1月大坂・豊竹(とよたけ)座初演の同題の浄瑠璃を大幅に改訂した作。三段目切(きり)の「道春館(みちはるやかた)」が有名で、歌舞伎(かぶき)でもしばしば独立して上演される。薄雲王子は右大臣藤原道春の姉娘桂(かつら)姫を妻に望み、退けられると、鷲塚金藤次(わしづかきんとうじ)に命じて姫を討たせようとする。道春の後室萩(はぎ)の方は拾い子の桂姫に義理をたて、妹娘初花(はつはな)姫を差し出そうとするが、金藤次は桂姫の首を打ち、自分の実の娘だったことを告げ、王子の悪計を白状して死ぬ。進んで犠牲になることを競って双六(すごろく)で勝負する桂姫・初花姫の哀れさ、萩の方の複雑な母性愛の表現、金藤次の「もどり」(悪から善に立ち返る表現)などが見どころ。なお、このあと、参内した初花姫に九尾の狐がのりうつり妖姫(ようき)玉藻前となって騒動を起こすという展開で、近年、人形浄瑠璃でも歌舞伎でも通しで上演されることがある。[松井俊諭]

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