20世紀日本人名事典 「浜の家お花」の解説
浜の家 お花
ハマノヤ オハナ
明治・大正期の待合茶屋店主
- 生年
- 弘化4年(1847年)
- 没年
- 大正13(1924)年10月15日
- 出生地
- 江戸
- 本名
- 内田 はな
- 経歴
- はじめ小浜を名乗り、新橋で芸者となる。のち長州藩士・井上聞多(のちの政治家・井上馨)の愛人や料理屋を営む伊勢屋源七の内縁の妻となったのを経て、明治9年柴日蔭町に待合茶屋・浜の家を開業。店は大繁盛し、数多くの名士が来店。特に、玄洋社の頭山満は3年間に渡って店に居座り続けたほどであったが、その間頭山に勘定を請求することはなかったという。また、井上や伊藤博文・山県有朋ら長州閥の政治家にも贔屓にされ、その会合場所としてもたびたび利用された。このことから、待合政治の名が生まれたと言われている。大正8年に店の敷地の一部が鉄道用地となったため廃業。晩年は立会川の別荘に住んだ。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報