うか・める【浮】
- 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]うか・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 =うかべる(浮) - ① 物を水面や空中に浮かぶようにする。浮かせる。
- [初出の実例]「龍鳥の唐船池にうかめて」(出典:今鏡(1170)一)
- ② 物事を外面に表わす。特に、涙などを出す。
- [初出の実例]「時直頭を地に付けて、両眼に泪(なみだ)を浮(ウカ)めたり」(出典:太平記(14C後)一一)
- ③ 暗記する。
- [初出の実例]「明け暮れ一二の巻をうかめさせ給ふ」(出典:讚岐典侍(1108頃)上)
- ④ 十分に知る。また、芸事などに熟達する。転じて、知っているようなふりをする。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ⑤ 良い状態にさせる。
- (イ) 死者の霊を成仏させる。
- [初出の実例]「頼政の幽霊〈略〉、いざ弔(とむら)ひて浮かめんと」(出典:謡曲・頼政(1430頃))
- (ロ) 迷っている人を救う。済度する。
- [初出の実例]「これみな、尺迦如来の、〈略〉我らをうかめたまへるゆゑにはあらずや」(出典:閑居友(1222頃)下)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 